振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
(……否定できない)
優しい。
真っ直ぐ。
そして、少しだけ不器用に甘い。
そのとき、またスマホが震えた。
『明日、楽しみすぎて今日寝れる気しないんだけど』
……ほんとに子ども?
思わず心の中で突っ込む。
でも、胸は少し軽くなる。
(なにそれ)
こっちの緊張だけ置いていくの、ずるい。
咲が覗き込もうとしてくる。
「また来た?」
「見ないで!」
「いいじゃんー」
そのやり取りの中で、私は小さく笑ってしまった。