振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
私はゆっくりと近づく。
光くんはそのまま待っている。
一歩、また一歩。
距離が消えていく。
そして。
私は光くんの前に立った。
「……っ光くん」
小さく呼ぶと、光くんがほんの少しだけ笑った。
「うん」
そのまま、私はそっと抱きついた。
一瞬、空気が止まる。
でもすぐに——
光くんの腕が、やさしく背中に回った。
ぎゅっと。
全然痛くない。
でもちゃんと“離さない”って分かる強さ。