振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「……重症だな。」
隣から小さな声が聞こえた。
「ん?なんか言った?」
「いや、何でも。」
樹は呆れたようにため息をつく。
俺が澪ちゃんを見ていることなんて、全部お見通しなんだろう。
それでもいい。
だって。
やっと会えたんだから。
もう二度と会えないと思っていた人が、
今、目の前にいる。
それだけで十分だった。
だけど。
一つだけ分からないことがある。
澪ちゃん。
あの日。
どうして俺を振ったの。
その理由だけは、
2年経った今も分からないままだ。
だから俺は、
もう一度だけ。
君の隣で笑える日が来るなら、
今度こそ逃がしたくない。
そう、心の中で静かに誓った。