振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
最初は、
(忙しいのかな。)
そう思っていた。
でも翌日も。
その次の日も。
『既読』はつくのに、返事はない。
(何かあったのかな……。)
胸の奥に、小さな不安が少しずつ積もっていく。
そして、その日の放課後。
チャイムが鳴り終わり、咲と一緒に昇降口へ向かっていた時だった。
「冴木さん。」
聞き慣れない低い声に呼び止められる。
振り返ると、一人の男子が立っていた。
少し無造作な髪。
気だるそうな表情。
制服は光くんと同じ高校のもの。
「……あれ、高見先輩?」
思わず名前を口にする。
たしかカラオケの日、光くんの隣にいた人。
高見樹先輩だった。