振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「えっ、光く――」
最後まで言えなかった。
ぎゅっ。
勢いよく抱きしめられる。
「……!」
「ほんとに澪ちゃんだ……。」
光くんは私をぎゅっと抱きしめたまま、小さく笑う。
「会いたかったぁ……。」
その一言だけで、胸がいっぱいになる。
私はゆっくり背中に手を回した。
「私もです。」
しばらく二人とも何も言わない。
ただ抱きしめ合っているだけなのに、心が満たされていく。
ようやく少し落ち着いた頃。