振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
部屋へ戻ると、さっきまでと変わらない賑やかな空気が流れていた。
笑い声。
流れ続ける音楽。
誰も俺が少し部屋を出ていたことなんて気にしていない。
……一人を除いて。
一番奥のソファ。
少しだけ俯きながら座る澪ちゃん。
昔と変わらない。
緊張すると指先をぎゅっと握る癖も。
視線を泳がせるところも。
全部。
俺は澪ちゃんの前まで歩き、カルピスの入ったグラスを差し出した。