振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
“光くん”って呼びそうになったことに気づいて、喉の奥がきゅっとなる。
それを誤魔化すみたいに、慌てて言葉を続けた。
「か、かっこいいです……っ」
言ってから、一気に顔が熱くなる。
(何言ってるの私……!)
逃げたくなるのに、足が動かない。
光くんは一瞬だけ驚いた顔をして、それから小さく笑った。
「なにそれ」
「い、今のは忘れてください……!」
「忘れないよ」
「えっ」
「絶対に忘れない」
その言い方が、昔と変わらなくて。
胸がぎゅっと締め付けられる。