元いじめられっ子の悲劇
私は長い夢を見て、ベットからガバっと起き上がった。
幼い頃の夢だ。
私はこうして異世界にいて、佐藤せりおという名前を捨てたというのに、なぜだか私の中の、いじめられっ子だった佐藤せりおがいる。
私のせいで、ママも他の人も巻き添えになって、忘れられるわけがなかった。
ママはどうあがいても、この世界にはいない。
「私は、いじめられっ子になんて、ならない・・・」
「どうしたんだ?」
ベットの近くにいたペンギンの姿をした妖精のペングウィーノが声をかけた。
私は、ベンデッタ。
幼い頃に異世界に来てから、「復讐」いう意味を込めて、この名前になった。
だけど、あれだけ憎かった復讐心とかも、時間の経過とともに記憶も思いも薄くなる。
今となっては当時の保育園の様子、いじめっ子グループの顔も、ママのこともあやふやとなっている。
「なんでもない」
本当は、なんでもないなんてことはない。
私は起きてすぐに鏡を見た。
髪は生えていて、3歳から髪が生え始めて、あれから髪は腰まで伸びている。
背だって伸びた。1メートルは超えている。
ママは、どうして「せりお」なんて名前つけたんだろうか?
今になって、疑問に思った。
そして、私は異世界にいる。
いじめられなければ、いじめっ子グループと出会わなければ、本当だったら、今頃平凡な小学生になって、ママもいたのかな?
私がどんな小学生になっていたかなんて、想像もできない。
もしもの話なんて、誰もわからないのだから。
私にパパなんていたのかな?
パパの話なんて、ママから聞いたことない。
「鏡をいくら見ても、綺麗だぞ?」
ペングウィーノは、私の容姿をいつも称賛している。
だけど、私は自分のことを可愛いとも、綺麗とも思っていない。
「ありがとう」
私は囁くようにつぶやいた。
「言い忘れていた。
10歳の誕生日、おめでとう」
私は、ここで気づく。
自分の誕生日すら、意識してなかったことを。
というか、毎年意識してなくて、ペングウィーノに「誕生日、おめでとう」と言われてからというのがお約束になっている気がした。
10歳か。
本当だったら、小学5年生として、ランドセルを背負いながら登校し、クラスメイトと一緒に授業したり、友達もできていたのかな?
私は、イフばかり考えている。
「どうしたんだ?
いつも、暗い顔して。
誕生日、嬉しくない?」
「嬉しい。
こうして、祝ってくれることが」
ママは私に昔「3歳の誕生日、おめでとう」と言ってくれたことを憶えている。
まさか、それが最後のママからの誕生祝いになるとは、この時は思わなかった。
「悩み事か?」
「悩み、って言うのかな?
悩みというか、絶望というか、私、救いようがないのよ」
「どうしてだ?」
「私が普通の生活を送れてないから」
「普通って、なんだろうね」
「どういうこと?」
「ベンデッタは、普通を求めるかもしれないけど、なぜ普通がいいと思うんだい?」
「それは、平凡な方が幸せって感じるから」
「ベンデッタは、幸せじゃないのか?」
「逆に、どうして幸せと思えるの?
ママもいないし」
「それを言ったら、ペングウィーノも母親はいない。
だけど、これが幸せとか不幸せと直結するとは思えないんだ」
「ますます、わからない」
「ベンデッタにとっての幸せを見つけよう」
「見つかるといいわね」
幸せ、か。
ペングウィーノの言いたいことを、私は理解してなかった。
私は幸せになれるのだろうか?
なれるとは思ってない。ないけど、幸せになりたい。
過去のしがらみから抜けて、イフのことに浸らず、私は幸せを得たい。
幼い頃の夢だ。
私はこうして異世界にいて、佐藤せりおという名前を捨てたというのに、なぜだか私の中の、いじめられっ子だった佐藤せりおがいる。
私のせいで、ママも他の人も巻き添えになって、忘れられるわけがなかった。
ママはどうあがいても、この世界にはいない。
「私は、いじめられっ子になんて、ならない・・・」
「どうしたんだ?」
ベットの近くにいたペンギンの姿をした妖精のペングウィーノが声をかけた。
私は、ベンデッタ。
幼い頃に異世界に来てから、「復讐」いう意味を込めて、この名前になった。
だけど、あれだけ憎かった復讐心とかも、時間の経過とともに記憶も思いも薄くなる。
今となっては当時の保育園の様子、いじめっ子グループの顔も、ママのこともあやふやとなっている。
「なんでもない」
本当は、なんでもないなんてことはない。
私は起きてすぐに鏡を見た。
髪は生えていて、3歳から髪が生え始めて、あれから髪は腰まで伸びている。
背だって伸びた。1メートルは超えている。
ママは、どうして「せりお」なんて名前つけたんだろうか?
今になって、疑問に思った。
そして、私は異世界にいる。
いじめられなければ、いじめっ子グループと出会わなければ、本当だったら、今頃平凡な小学生になって、ママもいたのかな?
私がどんな小学生になっていたかなんて、想像もできない。
もしもの話なんて、誰もわからないのだから。
私にパパなんていたのかな?
パパの話なんて、ママから聞いたことない。
「鏡をいくら見ても、綺麗だぞ?」
ペングウィーノは、私の容姿をいつも称賛している。
だけど、私は自分のことを可愛いとも、綺麗とも思っていない。
「ありがとう」
私は囁くようにつぶやいた。
「言い忘れていた。
10歳の誕生日、おめでとう」
私は、ここで気づく。
自分の誕生日すら、意識してなかったことを。
というか、毎年意識してなくて、ペングウィーノに「誕生日、おめでとう」と言われてからというのがお約束になっている気がした。
10歳か。
本当だったら、小学5年生として、ランドセルを背負いながら登校し、クラスメイトと一緒に授業したり、友達もできていたのかな?
私は、イフばかり考えている。
「どうしたんだ?
いつも、暗い顔して。
誕生日、嬉しくない?」
「嬉しい。
こうして、祝ってくれることが」
ママは私に昔「3歳の誕生日、おめでとう」と言ってくれたことを憶えている。
まさか、それが最後のママからの誕生祝いになるとは、この時は思わなかった。
「悩み事か?」
「悩み、って言うのかな?
悩みというか、絶望というか、私、救いようがないのよ」
「どうしてだ?」
「私が普通の生活を送れてないから」
「普通って、なんだろうね」
「どういうこと?」
「ベンデッタは、普通を求めるかもしれないけど、なぜ普通がいいと思うんだい?」
「それは、平凡な方が幸せって感じるから」
「ベンデッタは、幸せじゃないのか?」
「逆に、どうして幸せと思えるの?
ママもいないし」
「それを言ったら、ペングウィーノも母親はいない。
だけど、これが幸せとか不幸せと直結するとは思えないんだ」
「ますます、わからない」
「ベンデッタにとっての幸せを見つけよう」
「見つかるといいわね」
幸せ、か。
ペングウィーノの言いたいことを、私は理解してなかった。
私は幸せになれるのだろうか?
なれるとは思ってない。ないけど、幸せになりたい。
過去のしがらみから抜けて、イフのことに浸らず、私は幸せを得たい。