親友になった日
何も言えない。言い返せない。
じわっと目頭が熱くなって、彩夏は俯く。
前にも言われたことはあった。
でもその時は友達がいたから…。
2人が笑う声がする。胸のざわつきが収まらない。
(この教室から逃げ出したい)
すると後ろから声がした。
「人の好きなものを笑うほうが、よっぽど子供じゃない?」
聞いたことがある声だった。振り向くと、そこには綺麗な黒髪ロングの女の子が立っていた。
「あー、かおりちゃんじゃーん。それってどういう意味?」
「はい、返してあげて」
かおりと呼ばれたその子は、ぱっと女の子から彩夏のスマホを取り返した。
「は?あんたなんなの」
「もういいじゃん、いこ」
女の子2人はパタパタと教室を出ていった。