~KissHug~
「松本さん、体力なさすぎ~」
このときとばかりに
私への攻撃は牙をむく。

こういう時、男子は優しい。

「頑張れよ!!」
あまり普段話さない男子が
声をかけてくれていた。


「もう、遅いよ。
グループ中4人のゴールで
順位が決められるんだから
さきに行こうよ。」

グループの一人の女子が言った。

千鶴が言わせたのを
私は知ってるけど……


「後から先生ついてるから
松本さん一人で大丈夫でしょう?」


「うん、私は遅いから
みんな先行って。
その方が、私も助かるから……」

息が上がった。
恥ずかしかった。
素良に情けない姿を見られるのは・・・・


「素良、行こう。」

千鶴は、素良の手を引いて歩きだした。


「松本、ゴールでまってるぞ。」
気の毒げに男子が声をかけた。


「うん、頑張るわ……」
もう泣きそうだった……
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