~KissHug~
「おはよう」
勇気を出して教室に踏み出した。

いつもの風景が
一瞬
「あれ?」
私の変化に気がついた。

「コンタクトにしたの?」

「うん。今回思い切ってチャレンジしてみたの。」

「なんか感じが違う。
いい感じだよ。前、ちょっと怖い感じだったから…」

「ありがとう。」 
 
  怖いイメージだったんだ。


「おはよう。松本さん。」
千鶴が怪訝な顔で下から上まで一瞥した。

「なんか勘違いしてる?」
言いたいことはわかる…

「芳樹は、面白がってのことだから
その気になって恥かかないようにね。」

  私は、素良が見てくれたらいいの

聞こえない振りをして
素良の横を通り過ぎ、自分の席についた。

通り過ぎる時はドキドキした。


でも素良は、何事もないように
前を向いていた。

  冷たいのは、千鶴の前だから?



素良の背中を
見つめていた。


  大好きなの…素良…


私を見てほしい…

女の子として…


素良の目にはどんな風に映っているだろう…



その時前のドアが開いた。



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