~KissHug~
落ち着かない陽介は家路を急ぐ。
曲がり角に近づいた時
春江がとぼとぼ歩いてきた。

「春江?」

春江が顔を上げた。

陽介を見て涙がポロポロ落ちてきた。

「どーした?なんかされたのか?」
陽介が近寄った。

「うわ~~~~ん!!」

春江が泣きついた。
子供のころは、いつもだった。

「ハルがいじめた、ハルがおいてった
ハルが遊んでくれない、貸してくれない・・・」

そう言っては陽介のところで泣く。
陽介が頭を撫ぜると
元気になった。

「ハルに好きだって言ったのに
勇気だして言ったのに
相棒だから発情しない・・・って・・・
バカにするな~・・・
私だって・・・女なんだ~」


  告白したんだ
陽介の胸に波がたった。


春江を抱きしめながら
「俺がいるじゃん。
俺は発情するよ。」




「発情する?
私に女感じる?」


潤んだ目で見上げた。

「俺には、ずっとずっと女の子だった。」



「ヨウ~ありがとう………」

陽介は、長い片想いをやっと告白した。


春江は、治樹にふられ
流れは変わったけれど

陽介と春江はこの日を境に恋人になった。


  ずっと一緒にいよう

そう誓いあった。
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