~KissHug~
うわ~ん


千鶴が泣き崩れた。

「ひどい…ひどい…」

周りにいた子たちが
「大丈夫?ちー」と駆け寄った。


  被害者は私だけど…

いつの間にか
私は加害者の立場に立っていた。


素良がしゃがんで
泣き続ける千鶴の頭を撫ぜた。


私は頭の上に岩石でも
落ちてきた衝撃を受けた。
ショックだった…


  私は悪くないのに…
  どうして、千鶴なの?
 

千鶴は素良の胸にしがみついて
わんわん泣いた。


「かわいそう…」
クラスの目が千鶴に向けられた。


でも私は見た。
素良の腕の隙間から光る目が
私をしっかり見据えていたのを…
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