~KissHug~

~10~

「よいしょ」
丸くなっている私をそのまま抱き上げた。

「キャ…重いから!!」
私は恥ずかしくて慌ててしまった。

「重くないよ~俺男の子だし~」

男の子って不思議
力持ちだから


素良の部屋に置かれた。

「ぷくちゃん、いいわ~
その形~まんまるでフワフワしてて」

そう言って
私の背中に頬づりした。


  素良の二重人格は強烈だから

「触んないでよ」

「え?どうして」
それでも素良はまだ背中に抱きついていた。

好きな男の子にこんなことされて
このままあなたの好きにしてって
感じなのに、素良はすっかり
幼稚園児のようになってしまう。


「私ね、怒ってるの。」

「なんでさ~ぷくちゃん~」


  あ~あ  ダメだ
  もう話にならない

「逃げてるんでしょ?わかってるくせして!!」

「コンタクトなんか入れてるからだ!!
芳樹に目つけられたんだぞ~」

私の頬をムギュムギュしながら
ふてくされたように言った


「ぷくちゃんがとっても美人なのは
俺しかしらないはずだったのに…」



「ファーストキスだったのに…」
悲しくなった…


「ぷくちゃん…
ファーストキスだったんだ…」


「素良はファーストキスもうしたの?」
勇気を出して
素良に聞いてみた…
< 39 / 451 >

この作品をシェア

pagetop