~KissHug~
太陽の日差しは照りつける。
私たちは夢中になって
遊んでいた。

芳樹が私を呼んだ。

手招きをしていた。


「ちょっと行って来る」


「歩来、これ着たほうがいいよ。」
Tシャツを着させてくれた。

「色白いやつは日焼けするとまずいよ。
やけどになるから。」

「ありがと。」


私は、浮き輪に乗って浮かんでいた。

芳樹が

「素良のことどうして聞かないの?」
と言った。


素良ときいて心がざわめく

「俺に遠慮してた?」
波にのりながら心地よい風が
吹いた。

「それもあるけど、何か聞けなかった。」

芳樹が浮き輪を掴まえながら

「明日一度戻ってくるよ。
また帰るみたいだけど・・・・
俺が言う事じゃないけど
話してみたら?」


動揺してドキドキしてきた。


「歩来・・・
でも俺さ、この場におよんで
抱きしめたいって
思うとき何百回あるよ。」


「芳樹ったら・・・」


「だから、素良に会って来い。
このまま一人でいられて
素良以外の男にさらわれるのは
俺は、絶対許せないからさ。」


芳樹は私の濡れた顔を
優しく拭いた。


「素良に会いたい・・・・
でも・・・怖いの・・・・・」


雲の間から注がれる太陽の光が
波をキラキラ輝かせた。
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