~KissHug~
日曜日は、休みだったバイトが
急きょ2時間だけ
はいってしまったとかで

私は、時間をつぶしていた。

バイト先の近くにある図書館は
2時間じゃたりないくらいの
時間つぶしの場所だった。


図書館の本棚を一周して、
読みたい本候補から
一冊だけ手にしてテーブルにむかった。


朝早いこともあって
図書館はとても静かだった。



奥の一番後ろのイスが開いていた。


座ろうとした時
隣の人が顔をあげた。




お互いにびっくりした。


素良だった…


  こんなとこで会うなんて

心臓が高鳴った。

気まずさにドキドキした。



素良は冷たい横顔で、私と視線を
合わせないようにしていた。


二人の間に緊迫した空気が流れた



私はそのうち読書にのめり込んだ。




しばらく時間が流れて
はっとした横から視線を感じた。


素良が私を見ていた。
本に夢中になって気付かなかった。
恥ずかしくて頬が赤くなった。

机の下で
素良が私の手をムギュムギュした。



頭の中は読書どころじゃなくなった。




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