サバイバル隠れんぼ(「スイッチゲーム」より抜粋短編)
3
ミキとアリサは二人で連れ立って夜の校舎内を巡回歩き回りながら、金属バットを持ってヘッドライトで油断なく周囲に目を光らせていた。
「見つけ次第、ギッタギタにしてやるわ。アリサだって、遠慮することないんだからね。どうせ相手の男は鬼畜なんだから、手加減してたらこっちが危ないもの」
潜めた小声ながらにも、ミキの声には強固な意志がこもっている。気が強いというだけでなく、どこか怨恨めいた感情がにじんでいるあたりに何かしらの背景事情が窺える。
ミキの言葉に勇気づけられたかのように、アリサは息をのみつつコクンとうなずいた。二人は高校までの同級生で、親友といって良い間柄だったのかもしれない。
そして両者ともに男性絡みで悲惨な経験があり(お互いの悲哀と同情で男への敵意と殺意は強化された?)、コンビでこのゲームに挑むことになった経緯がある。ミキの目に険があるのもそのためなのだろうが、爪を噛んで苛立ちながら持論を述べた。
「どうせあっちもスイッチを押すために歩き回ってるんだから、どこかの段階で出くわすはずなのよ。早く出てきたらいいのに、ぶっ殺してやるわよ!」
「そのことなんだけどさ。ちょっと、その、おかしくない?」
アリサがイキるミキに疑問を差し挟む。
「もう開始から十五分くらいは経っているはずなのに、もし敵が好きに動き回ってるんだとしたら、一つくらいスイッチ押されてておかしくないのに、その通知がないなんて変だと思う。もしも」
そこでアリサは言葉を句切り、恐れていることを口にする。
「もしも敵が普通にゲームで勝つんじゃなくって、「私たちのこと」を狙って、どこかに隠れてたら? 私、怖い」
周囲を不安げに見回すアリサにつられ、ミキもギョッとした顔で背後を振り返った。コッソリ後ろからつけられているような気がしたからだ。
疑心暗鬼は加速しつつあった。
ミキとアリサは二人で連れ立って夜の校舎内を巡回歩き回りながら、金属バットを持ってヘッドライトで油断なく周囲に目を光らせていた。
「見つけ次第、ギッタギタにしてやるわ。アリサだって、遠慮することないんだからね。どうせ相手の男は鬼畜なんだから、手加減してたらこっちが危ないもの」
潜めた小声ながらにも、ミキの声には強固な意志がこもっている。気が強いというだけでなく、どこか怨恨めいた感情がにじんでいるあたりに何かしらの背景事情が窺える。
ミキの言葉に勇気づけられたかのように、アリサは息をのみつつコクンとうなずいた。二人は高校までの同級生で、親友といって良い間柄だったのかもしれない。
そして両者ともに男性絡みで悲惨な経験があり(お互いの悲哀と同情で男への敵意と殺意は強化された?)、コンビでこのゲームに挑むことになった経緯がある。ミキの目に険があるのもそのためなのだろうが、爪を噛んで苛立ちながら持論を述べた。
「どうせあっちもスイッチを押すために歩き回ってるんだから、どこかの段階で出くわすはずなのよ。早く出てきたらいいのに、ぶっ殺してやるわよ!」
「そのことなんだけどさ。ちょっと、その、おかしくない?」
アリサがイキるミキに疑問を差し挟む。
「もう開始から十五分くらいは経っているはずなのに、もし敵が好きに動き回ってるんだとしたら、一つくらいスイッチ押されてておかしくないのに、その通知がないなんて変だと思う。もしも」
そこでアリサは言葉を句切り、恐れていることを口にする。
「もしも敵が普通にゲームで勝つんじゃなくって、「私たちのこと」を狙って、どこかに隠れてたら? 私、怖い」
周囲を不安げに見回すアリサにつられ、ミキもギョッとした顔で背後を振り返った。コッソリ後ろからつけられているような気がしたからだ。
疑心暗鬼は加速しつつあった。