サバイバル隠れんぼ(「スイッチゲーム」より抜粋短編)
5
二階に上がって、廊下の先に行きかけたときだった。
ミキとアリサの携帯無線機が振動し、一つ目のスイッチが押された事を知らせてきた。
それだけではなかった。どうするかヒソヒソ相談しだした矢先に、さっき上がってきた一階から恐ろしい叫び声が聞こえてきたのだった。
「どこだあー! 腐れ女どもー!」
それでサキとアリサはビクリと肩をふるわせ、顔を見合わせる。
今押されたスイッチの場所は一階だとすぐにわかる。そしてそこに、忌むべき攻略者の男がいる。
「どうする?」
「どうするって」
アリサは金属バットを握りしめて震えていた。ミキは目に恐怖をたたえながらも勇気を奮い起こした。そして幼き頃からの盟友を励まして言う。
「やらなくっちゃ! 二人がかりだったら、どうにかなるって! 勝たなくっちゃ、私たちだっていつまで泣かされ続けたらいいのよ! 男なんてケダモノよ、ボッコボコにしてやればいんだわ」
ミキは妊娠させた男に逃げられて三ヶ月前に中絶した。信じていた男に裏切られて、不安と困惑の中でしがみついた幸福の予感も打ち砕かれ、あんなにも惨めで悲しい気持ちになったことはない。
そんなときに優等生で名門大学に進学していたアリサが、大学の新入生勧誘で鬼畜サークルの餌食になり、酔わされて集団暴行されていたことを知った。
だからこれは復讐なのだ。
二人の女は武器を握りしめて、さっき上がってきた一階へと引き返した。それこそボコボコにしてやるつもりだった。
6
サダオは廊下の反対側の階段から、一階の廊下の様子を密かに窺っていた。
ヘッドライトらしき光が見えたので、二人の鬼が挑発に乗って一階に降りてきたことがわかる。
作戦が当たったサダオは、できるだけ音を立てないように階段を駆け上がる。あの二人が一階でウロウロしている間に、階上のスイッチを押してしまわなければならない。絶好の好機であった。
二階に上がって、廊下の先に行きかけたときだった。
ミキとアリサの携帯無線機が振動し、一つ目のスイッチが押された事を知らせてきた。
それだけではなかった。どうするかヒソヒソ相談しだした矢先に、さっき上がってきた一階から恐ろしい叫び声が聞こえてきたのだった。
「どこだあー! 腐れ女どもー!」
それでサキとアリサはビクリと肩をふるわせ、顔を見合わせる。
今押されたスイッチの場所は一階だとすぐにわかる。そしてそこに、忌むべき攻略者の男がいる。
「どうする?」
「どうするって」
アリサは金属バットを握りしめて震えていた。ミキは目に恐怖をたたえながらも勇気を奮い起こした。そして幼き頃からの盟友を励まして言う。
「やらなくっちゃ! 二人がかりだったら、どうにかなるって! 勝たなくっちゃ、私たちだっていつまで泣かされ続けたらいいのよ! 男なんてケダモノよ、ボッコボコにしてやればいんだわ」
ミキは妊娠させた男に逃げられて三ヶ月前に中絶した。信じていた男に裏切られて、不安と困惑の中でしがみついた幸福の予感も打ち砕かれ、あんなにも惨めで悲しい気持ちになったことはない。
そんなときに優等生で名門大学に進学していたアリサが、大学の新入生勧誘で鬼畜サークルの餌食になり、酔わされて集団暴行されていたことを知った。
だからこれは復讐なのだ。
二人の女は武器を握りしめて、さっき上がってきた一階へと引き返した。それこそボコボコにしてやるつもりだった。
6
サダオは廊下の反対側の階段から、一階の廊下の様子を密かに窺っていた。
ヘッドライトらしき光が見えたので、二人の鬼が挑発に乗って一階に降りてきたことがわかる。
作戦が当たったサダオは、できるだけ音を立てないように階段を駆け上がる。あの二人が一階でウロウロしている間に、階上のスイッチを押してしまわなければならない。絶好の好機であった。