檻の外へー極道なんて、大嫌いー
倉庫の壁にもたれかかっていた連中までが面白半分に歩み寄り、俺たちの周りをぐるりと囲む。



まるで珍しい動物園の展示物でも見るような視線に、玲美は眉をひそめ、俺の背後に半歩隠れるように立ち位置を変えた。
「……晴樹、帰りたい」
玲美が耳元で小さく、かつ殺気混じりに呟く。その恐怖と嫌悪が混ざった瞳を見て、俺はニヤリと笑った。
「安心しろ。お前は今日からここを守る『姫』だ。……なあ、総長!」
俺が声を上げると、剛田が豪快に笑いながら、メンバーたちに向かって声を張り上げた。
「おいテメェら、騒ぐんじゃねぇ! 今日から、この小鳥遊玲美が飛龍の姫だ。誰であれ、この姫に指一本触れてみろ。飛龍の規律で制裁してやるからそのつもりでいろよ!」
剛田の言葉に、倉庫中のメンバーが「おうっ!」と野太い声を上げる。その熱気と、どこか下世話な興奮に、玲美は溜息をつきながらも、どこか諦めたような表情で周囲を見渡した。
(まあ、組の連中や御影組の男たちに比べれば、こいつらの熱気はまだマシか……)
玲美がそう思ってくれているなら御の字だ。
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