悪霊配信アプリ
悪夢

逢魔が時のオレンジがリビングの畳の上に降り注ぐ。
あちこちシミがついて年季の入った畳の上に私は立っている。
足元には使い古したような小さな人形が転がっていて、私は素足でその人形の髪の毛を踏みつけていた。
『お母さん、どこに行くの?』
細すぎる体躯と似たような、細い声で聞く。
母親の顔を見上げてみるけれど、西日のせいでその表情をしっかりと確認することはできなかった。
微笑んでいたかもしれないし、泣いていたかもしれない。
怒っていたなんてことは、きっとない。
『大丈夫よ。すぐに帰ってくるから』
顔が見えないまま母親が私に背中を向ける。
たぶん私はこのときわかっていた。
< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop