札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
居た堪れなくなり謝罪するオリヴィアだが、誰も目を合わせてくれない。
それどころかどんどんと後ろに下がっていく。

すると廊下の向こう側から凄まじい勢いでエリーが走っているではないか。
その顔は今までで一番恐ろしかった。
手には白いシーツを持っており、それをオリヴィアに巻きつけるように被せる。


「そのような格好で勝手にお部屋から出るのはおやめください!」

「考え事をしていて、着替えるのを忘れただけだから……!」


いつも無表情なエリーだが、今は顔が強張っていた。
余ほどやってはいけないことなのかと反省していたが、どうやら〝戦闘服〟が、よくなかっただけのようだ。

シーツに巻かれたまま、引きずられるようにして寝室へと戻る。
眼帯がずれ落ちそうになっているエリーを心配して声をかけるが「今はそれどころではありません!」と一蹴されてしまった。


「もう一人、侍女を増やすようにお願いしなければ……!」


ぶつぶつと呟いているエリーに寝室で着替えさせられてしまった。


「いいですか、オリヴィア様。ネグリジェ……戦闘服で外に出るのはおやめください」

「えー……」

「動きやすい服を用意いたします。戦闘服はダメです」


そう言われてワンピースを着せてもらったのだが、やはり丈の短いネグリジェに比べると動きにくい。
それになめらかな生地は明らかに高級品で、汚すわけにはいかずにオリヴィアの動きはピタリと止まる。
部屋の端にあるワゴンにはお茶が並べられていた。
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