札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「わたしは働かせてもらえないのですか!? それとも裏方に?」

「ある意味、働くというか……どこから説明すればいいんだ……」


何を聞いても言葉を濁す父。
含みのある言い方にだんだんと苛立ってきたオリヴィアは声を荒げた。


「ですから結局、どういうことでしょうか!」

「ロベール・エンバルトと結婚するということだ」

「……………はい?」

「つまり、オリヴィアはエンバルト公爵の〝妻〟となる。エンバルト公爵夫人になるということだ」

「へっ……?」


予想もしない言葉にオリヴィアの口からは情けない声が出る。

(結婚……? わたしがあの人と?)

つまりロベールは娼館の主人でもなんでもなく、巨漢に変装しながら妻を探していたというのだろうか。

『これでお前は俺の〝妻〟だな』

今になってロベールのこの言葉が頭をよぎる。
この時は従業員か何かという意味だと思っていた。
だが、実際は自分の結婚相手を探していたというのだろうか。
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