余所者-よそもの-【 3 】
――ガバッ!と身を起こした。
寝汗がすごい。
「……夢、か」
なんとも最悪な目覚め。
ここは……Z地区郊外のアパート。
素肌に触れる感触は、冷たいコンクリートじゃない。
……この間までママと一緒に眠っていた、淡いピンク色の布団。
残り香ごと身体に巻きつけて、混乱した頭を落ち着けた。
「ママ……」
そう呟けば、僕のスマホが着信を知らせてきた。
枕元に突然光った画面を覗き込めば、着信は『ヤクザ医師』。
さっきまで夢の中でドSってたヤツだ。
「なに?」
『おいコラてめぇ……』
「なんでキレてんの?」
『時間見ろ、ボケが』
「あ」
そうだ、マズイ。
すっかり忘れていた。
きっと夢にコイツが出てきたのは、今日のこの予定のせいだ。
『……薬。取りに来ねぇのか?ウザってぇ注文通り仕上げてやったっつーのに。取りに来ねぇなら鳩にでもばら撒くぞコラ』
ヤイヤイと煩い電話口の男。
僕はブチッと途中で通話を切り、慌てて服を身に着けると、駆け足でアパートを飛び出した。