余所者-よそもの-【 3 】
「なに?……リンコさん?」
「………」
「リンコさん!?」
私が声をあげると、開けっ放しだった寝室のドアの向こうから、声がした。
「お荷物。回収しに参りましたぁ」
重い土足の足音が、じりじりと近づいてくる。
「なん……で……」
ぬめっとした笑みを浮かべて現れたのは、白い髪の男。
――地下の売人。
「違うな。『お荷物』じゃないね」
「………」
「預けていた……大切なものを、迎えに来た」
そう言って、さっき別れ際にユキが触れた、同じ場所。
私の左頬に、冷たい手が這った。
「よかった。状態は悪くない」
「………」
「思った通りだ。あの男は使えたね」
……何を、言ってるの……?
「そろそろ、出発しようか」