余所者-よそもの-【 3 】


「私……行かないから。ちゃんとここに居るから、だからシドにも言わないで」


野間はこめかみに青筋が浮かべると、僕を見た。



「……さっさと行ってください」



野間はデックから離れ、ゆっくりとママに近づく。

今にも倒れそうな彼女の身体を、脇から支えた。



野間は、僕たちを逃がそうとしている。

ママの意志を優先して。


僕は……ここで引く?

こんな状態のママを、ここに置いて?



「……なぁ。お前も助けたいんだろ」

「………」

「だったら、手を貸せ」



野間は目を伏せた。


「………」


長く息を吐いてから、




「できません」




声を落とす。



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