余所者-よそもの-【 3 】
82話:生き方と役割
地下の売人の接触から、数日が経った。
あの日の言葉が、棘のようにずっと僕の頭に刺さったままだった。
――『やるさ。お前は』
あの男はわかってない。
僕は平凡だ。
大層な野心も、何かを変える勇気だってない。
いつも見ているだけ。
紫藤さんほど神かかっていなければ、多夜さんほど世間に無関心でもない。
だからこそ僕は、眼の役割を担うことができる。
「………」
右手中指に居座る目玉のタトゥを眺めた。
ソイツと見つめ合えば、頭の中の煩い囁きが、ス、と頭の隅から消えた気がした。