余所者-よそもの-【 3 】
「アイツの悲しまない街で、」
「………」
「俺はアイツと、生きていく」
――『私は、生きたいの』
――『みんなにも、生きていてほしい』
あのとき。
カナコさんは、どんな顔をしていただろう。
不思議と、今は。
穏やかに笑うカナコさんが、浮かんだ。
その身体を、目の前の瑞生さんが抱きしめる。
カナコさんも、その背中にそっと腕を回した。
僕の眼の中でだけ。
二人はようやく、同じ場所にいた。