余所者-よそもの-【 3 】
87話:生かせ
「…………コ」
誰かが、私を呼んでる。
「カナコ」
だれ?
でも、瞼が重い。
起きたく、ない。
「カナコ。起きろ」
ぐん、と腕を引かれ、上半身を起こされる。
「………」
薄目を開ける。
また、閉じる。
酷く、眠い。
ふいに、プン、と何かの香りが鼻の奥を突いた。
なんだろう。
瞬きの瞬間に、鮮やかな赤が見えた。
もう一度瞬きをして、次はもう少し長く視界を保つ。
「……血?」
目の前のシドのシャツに、点々と血のようなものが飛んでいた。