余所者-よそもの-【 3 】
「もう、ちょっとずつご飯は食べられるようになったのかな?」
「………」
「先に何か飲もっか」
きっと私の頭に響かないように、囁くような声で話しかけてくる彼。
だけどその顔つきはウキウキと楽し気で、それでいて落ち着きもない。
立ったと思えば座って。
座ったと思えば立ち上がって。
ねえ。
あなたは一体、何がしたいの。
「どうして」
「うん?」
「目的は、なに?」
「元気になってほしいから」
「違う」
そうじゃない。
なぜ看病をするのか、じゃない。
それよりもっと手前の話だ。
「どうして私をここに連れてきたの」
地下の売人は足を止めず、隣の部屋の冷蔵庫を開けて、ガサゴソと物音を立てた。
やがて両手いっぱいにたくさんの飲料やゼリーを抱えて、私の隣に戻ってきた。
「隠すため」
そう言って、スポーツドリンクのキャップを開ける。