余所者-よそもの-【 3 】
それから獏は、毎日私に尋ねた。
『今日は自分の何を許せた?』と。
答えが出ない日は、その日一日を振り返って、許せそうなことを一緒に考えてくれた。
そして獏は私に、小さな選択をたくさんさせた。
きっと、わざとだと思う。
「今日晩飯、何がいい?」
「なんでもいいです」
「『なんでもいい』は禁止だ」
「……じゃあ。シチュー……」
「了解」
夜ご飯の献立や、お風呂に入る時間。
飲み物や、眠る時間まで。
全部、とても些細な事。
これ自体にどういう意味があるのかは、教えてくれない。