余所者-よそもの-【 3 】
慌てて身体を起こそうとした瞬間。
すー……と、鼻先に知っている匂いが触れた。
「………」
この、匂い。
暗闇に目を凝らす。
すぐそばに、人影があった。
「……ユキ、さん?」
私、夢でも見てるのかな。
ユキの指先が、私の唇にそっと触れる。
「声、出さないで」
耳元に落ちた声。
ようやく、本当にユキなんだとわかった。
「どうして……」
尋ねようとした私の腕を、ユキがそっと引く。
身体を起こされ、そのまま胸の中に閉じ込められた。
「………」
耳を澄まさなくても、ユキの鼓動が聞こえる。