余所者-よそもの-【 3 】
多夜は静かに首を横に振る。
「……違う」
「何が?」
「生きるためだ」
「………」
「俺は……怜を、治すために」
コイツ、何言ってんだ?
千景は眉をひそめた。
「カエデが死んだ」
「………」
「怜が、壊れた」
周囲の誰もが沈黙する。
多夜は気にも留めない様子で、話し続ける。
「眠らない。食わない。だから、”渡した”」
「………」
「怜はカエデのことを忘れて、楽になった」
「………」
「俺は怜を、治した」
……意味がわからない。
この場にいる全員が、同じように顔を歪めた。