真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 「何か父さんにちょっと似てるね。不器用であんま喋らないところとか。」と稔が続けた。

 「あんまり喋らない人だけど、悪い人じゃないんじゃない⁇」

 稔が私の彼氏をよく言うとか珍しい。元カレ慶太の事も最初は陽気すぎて軽そうとか散々悪口を言っていた。

 「まあ私が選んだ人ですから。」

 自分で言っていて照れてしまう。でも稔が大一を良く思っていてくれている事が素直に嬉しかった…。

 「喧嘩したなら、ちゃんと話して仲直りしたほうがいいんじゃない⁇花凛の事は真剣に考えています。だってさ。」

 「あんたに言われなくても分かってるわ。大一がそんな事言うなんてあんた大一に余計な事言ってないでしょうね⁇」

 あのぶっきらぼうでもの言えぬ大一が何もなくてそんな事いうわけない。私は疑わしい目で稔を見た。

 「別に何も言ってないよ。いい弟らしく姉を宜しくお願いしますって言っただけ。」

 ベーと悪びれもなく舌を出す稔を本当に何も言っていないのか疑わしい目で見てしまう。

 「そうなんだ。今後もくれぐれも余計な事言わないでよ。」

 稔はハイハイと言って面倒臭そうに行ってしまった。

 そう言えば、私は今日仕事だった⁈やばい。仕事に遅れる⁈

 私は今日が仕事なのを思い出し大急ぎで仕事に行く支度を始めた。
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