真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 「それは…。あーもう。この前の電話は、これを買う為。」

 バツが悪そうに言う大一はリボンのかかったジュエリーボックスを私の前に差し出した。

 これって…⁉︎

 「本当はクリスマスに渡すつもりだったんだけど…⁇何か不審がられてるみたいだし、もういいや。」と言って私の目の前で大一はジュエリーボックスを開けた。中身はキラリと光るダイヤの指輪だった。

 「まだあげてなかったし…。俺達そろそろちゃんと籍いれませんか⁇」

 「えっと…それはつまり…結婚って事でしょうか⁇」

 嘘⁈これは予想してなかった。

 「まあそう。こんな形で何だけど、俺と結婚して下さい。」

 もしかしなくてもこれはプロポーズだよね⁇私は驚きすぎて涙が出そうになった。

 「ハハハ。もしかして隠してたのってこの事⁇」

 「まぁそう。そのために色々計画してたんだけど、こんな形で言う羽目になってしまったと…。」

大一はサプライズがバレてしまってちょっと不満そうだ。

 「だって大一、サプライズ隠すのが下手なんだもん。」

 私は大一らしいと笑ってしまった。

 「プロポーズの返事は⁇」

 そう言われたから、「はい。勿論。喜んで。」と私は満面の笑みで答えた。

 その後の説明で、大一にかかってきた電話はジュエリーショップからの電話で、予約した指輪の確認だったそうだ。

 ここ最近よそよそしかったのはクリスマスにサプライズプロポーズを計画している事が言えず、どう誤魔化したらいいのか分からず、何となくよそよそしく不自然な態度になってしまったそうだ。
< 176 / 185 >

この作品をシェア

pagetop