真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 今日は金曜日だからいつも行きつけのイタリアンは席が満席になりそうだった。座れて良かったねと2人で相槌をうち、席に座る。

 「とりあえずお疲れ〜」と私達は乾杯した。酸っぱいグレープフルーツジュースを飲んで乾いた喉を潤す私。お酒はあんまり飲めないけど、体力使いすぎて疲れ切った体にジュースが染み渡って、私は幸せな気持ちになった。

 「それで、5年も付き合った慶太と別れたって本当⁇」

 歩美は信じられないと言いながら話の真髄に迫ってきた。

 「本当だよ。でも私も別れは予感してたかも。最近会ってもマンネリだったしね。切り出されてもしょうがないって感じ。」

 実際私達はマンネリだった。お互いの家は行き来してたけど、会う頻度も減って会うのは月1とか月2程度…。会ってもそういう事が無いわけじゃなかったけど、昔のラブラブ期から比べて頻度はぐんと減り、最近では倦怠期の夫婦のように、そういう行いもなくなっていた。

 「そっか。じゃああんまり落ち込んでないんだね。」

 歩美が安心したように聞き返す

 「落ち込んでなくはないけど、もうしょうがないかって感じ。」

 あっ、パスタ来た。私は目の前に置かれたパスタに目を輝かせる。とりあえず取り皿に取り分けてパスタを食べる事にした。
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