さくらの約束
あとがき


ここまで『さくらの約束』を読んでくださり、本当にありがとうございました。

この物語は、「言葉がなくても伝わる想い」と「時間を越えて続く約束」をテーマに書きました。
桜という花は、日本では特別な意味を持っています。満開の美しさだけでなく、散り際の儚さにも心を打たれる――その二つの感情を、海と妃という二人の時間に重ねています。

声を失っていた妃と、まっすぐに想いを向け続けた海。
二人の関係は、派手な出来事よりも「小さな約束」と「静かな想い」で結ばれています。ノート越しの会話、桜並木の夕暮れ、そして数年後の再会。どれも大きな奇跡ではないけれど、だからこそ現実のどこかにもありそうな、そんな物語にしたいと思いました。

タイトルの『さくらの約束』は、妃が残した言葉だけでなく、海が心の中で守り続けた約束でもあります。
桜が散っても、また咲くように。
離れても、想いは巡ってもう一度出会える――そんな希望を、この物語に込めました。

もしこの作品を読んで、誰かを思い出したり、昔の約束を少しだけ思い出してもらえたなら、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。

満開の桜の下で再会した二人の物語はここで終わりますが、きっとこの先も、穏やかな春のような時間を重ねていくことでしょう。

あなたの春にも、優しい物語がありますように。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

詩月麗
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

四浦のあまやどり〜雨のち晴れ、ときどき青い奇跡〜
詩月麗/著

総文字数/99,197

恋愛(その他)37ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
表紙コメント 雨の日にだけ開く、小さな喫茶店「あまなぎ」。 そこには、今日も誰かが心に抱えた悩みを持って訪れる。 恋のこと、家族のこと、仕事のこと。 言葉にできなかった想いを、夕凪は静かに聞いてくれる。 「これは、あくまでも私からの助言です」 そう言いながら、決して答えを押しつけることはない。 温かい料理や甘いケーキ、そして時々の「サービス」と一緒に、訪れた人が自分自身の答えを見つけられるよう、そっと背中を押していく。 チーズケーキをきっかけに結ばれる縁。 家族の笑顔を願う人たち。 子どもたちが抱えていた大人には言えない苦しみ。 そして、四年という時間を越えて再び「あまなぎ」に戻ってきた蒼。 最初は一人だった夕凪のもとに、少しずつ大切な人たちが増えていく。 好きという気持ちだけでは急がず、時間をかけて相手を知り、支え合うことを選んだ二人。 やがて二人は家族になり、そして――小さな命が二人のもとへやってくる。 雨の日に始まった物語は、最後に「三人」という新しい未来へたどり着く。 今日も、四浦の海には雨が降る。 けれど雨の向こうには、きっと優しい光がある。 誰かと誰かの縁を結ぶ場所「あまなぎ」。 これは、雨の日にしか見つけられない、優しい縁と家族の物語。
別府の湯けむり、君と50年の未来
詩月麗/著

総文字数/38,984

恋愛(その他)36ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
別府の湯けむりの中で交わした、ひとつの約束。 離れていても、いつか必ず迎えに行く――。 高校時代に交わした約束を胸に、遥斗は雪を想い続ける。鎌倉と別府、遠く離れた二人の距離。それでも二人の心は、温泉が長い年月をかけて地中を旅するように、ゆっくりと未来へ向かっていく。 再会、恋、結婚、そして新しい家族・蒼生。 朝見神社での結婚式、別府で始まる夫婦としての暮らし、家族とともに過ごす日々。そして最後に訪れる、長崎鼻の美しいひまわり畑。 「これからも愛してる」 長い年月を重ねても変わらない愛を、ひまわりのような笑顔で確かめ合う。 別府の湯けむりから始まった二人の物語は、家族三人で歩く未来へ――。 これは、遠回りをしながらも大切な人を想い続けた二人が、約束を叶え、幸せを見つけていく物語。 『別府の湯けむり、君と50年の未来へ』 いつまでも、君の隣で。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop