あなたが犯した✗✗を全て選びなさい。
以下のものは補習を受けること。
ただの放課後のはずだった。

教室に残されたのは、補習を受ける数人だけ。

いつもより静かな廊下に薄く伸びた夕方の光。

遠くから運動部の掛け声が聞こえる。

特別なことなんて何ひとつない。

いつも通りの、平凡すぎるつまらない光景だ。

「社会の補習、始めるぞ」

もちろん、先生の声もいつも通りだった。

少しだけ眠気を誘うような、落ち着いた低い声。

黒板には「公民・法律分野」とだけ書かれている。

私はなんとなく、ノートを開いた。

補習は嫌いじゃない。

むしろ、こうして静かに問題を解いている時間は心地が良かった。

だけど、今日の教室は心地よさとは少し違っていた。

時計の針の音が、いつもよりはっきり聞こえる。

カチ、カチ、と。

先生がプリントを配り始めたとき、誰もそれを疑わなかった。

ただの確認テストだ。

成績のための―――赤点を補うための課題。

そう思っていた。

その紙の一枚一枚が、どんな意味を持つのかも知らずに。
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