僕ら×回目の卒業式を〜RE→volution〜
「あの、初めまして。土屋ユミルってい…いいます!」
「あ、新入生?俺、金宮レア」
小4の…今学期の4月。
この向川小学校では、四年生から部活に入れる。
田舎の学校なので人数が少なく、男女混合と言う珍しい形だ。
そんな中私は野球部を選んだ。
レアくんは五年生。
私よりも前に野球部に入ったらしい。
ここの部で一番うまいと言われているレアくんはずっと野球にまっすぐだった。
自分の良くないところはちゃんと正し、そうやって練習してきた。
「俺いつか二刀流選手になるんだ」
このころはまだ、ちゃんと野球が大好きな普通の子だった。

「初めまして〜!」

「今日から野球部に入りました!」

「火宮レサトです!」

レサトくんがきてから明らかに環境が変わった。
二学期別の学校から転校してきたレサトくん。
お父さんがプロ選手だと言うレサトくんの実力は凄まじかった。
二刀流選手になる。
そんなレアくんの夢を、レサトくんはすでに実現していた。
「レサトくんすごーい!」
「教えてくれませんか!?」
野球部内でも外でもすごい人気になっていったレサトくん。
いままでトップだったレアくんは…
「なんだあいつ…」

そうやってレアくんは「わるいほうの」うらやましいって気持ちが溜まっていったのかもしれない。
レアくんだって精一杯努力したかもしれない。
でも、どれだけ頑張っても、レサトくんには勝てない。
「ちやほやすんな!!!」
ある日野球部に響いた罵声。
「お前ちょっと野球が上手いってだけで偉そうにすんな!たいして俺みたいな努力もせずにこんなこと…
お前なんかっ…!!!」

そっかその日以来だった。レサトくんにレアくんがあたるようになったのは。
野球部の空気も最悪になっていって、あの頃から辞める人も増えてきた気がする。
私もこのピリピリした空気が嫌で、野球部をやめたんだった…

あの2人は、どうやったら仲直りできるんだろう。
どうしたらまた素直に野球部をやれるんだろう。
どうしたらレアくんがレサトくんをどなるようなことがなくなるのだろう。
考え出すとキリがない。
でもどうやったら解決できるかはわからなかった。
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