失恋した男友達と、ルームシェア始めました
「じゃあ──」


彼は、ほんの少しだけ身体を前に倒す。

私との間にあった距離が、ひと呼吸ぶんだけ狭くなって。

柔軟剤の匂いと、微かなコーヒーの香りが混じって届いた。


「練習、する?」


喉が、ごくり、と鳴る。


(やめるなら今だよ)


頭の中で何度も警報が鳴っているのに、私は、テーブルの端をぎゅっと握るだけで、首を横には振れなかった。



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