ショートショート 馬鹿みたいなスルメ
仕事でミスを押し付けられた俺、中年である聖人。
最悪な1日だった。
相手は上司だし、筋肉質で厄介な体育系。
でっぷりした俺のことなんて、分かりはしないだろうから。
いつものコンビニ。
酒を物色中。
「馬鹿みたいなスルメ」という商品を見つけた。
早速買い占めた俺は、試しにスルメを炙ったらどうだろう。
スルメが2足歩行で立って、アロハを踊り始めたのだ。
しかも、陽気な歌を歌いながら歌ってと言わんばかりに俺を指さす。
妙に酒も入っていたので感心しながら眺めていたら、刹那ーーースルメが砂のように溶けて石になってしまった。
割り箸でつついても戻ることはなく。
仕方無しに、俺は庭にスルメの墓を作って手を合わせーーーコンビニでまた馬鹿みたいなスルメを買うーー習慣がつく事を知らない。

