ただいまヒロイン代理中!
「……やっぱりな」

「どういうこと?」

 私が首をかしげると、蓮がゆっくりと目を開く。

 その瞳には、すでに納得の色が宿っていた。

「本当は、ずっと変だと思っていたんだ。美月のようで、美月じゃない。今回だけは、何もかもがいつもと違ってて――」

(……いつもと、違う?)

「それって、いったい……」

 私が聞き返そうとした、まさにそのときだった。

「ん? 何あれ……?」

 ふと、部屋の奥の壁の近くで、何かがキラキラ輝きながら舞い始めた。

 埃かな? この部屋ってけっこう散らかってるし、見るからにしばらく掃除をしてなさそうだもんなあ。

 埃が舞うのも仕方ない――って、ちょっと待って。

 あれ、本当に埃なのかな?

 なんか……壁が風にさらわれた砂みたいに、上の方からサラサラと削れていってない?

 ていうか――、

「壁が……、消えてる⁉」

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