ただいまヒロイン代理中!
「天宮、窓開けてくれてありがとう」


 背後から聞こえた声に、思わず胸がキュンと高鳴る。

 振り返ると、同じクラスの結城(ゆうき)千歳(ちとせ)くんと目が合った。

 黒髪のクラウドマッシュに、切れ長の目元が印象的な、整った顔立ち。

 背もすらりと高くて、モデルみたい。

 本人にはまだ内緒にしているけど……、実は私の片思いの相手なんだ。


「いっ、いえ! どういたしまして!」

「ってか、大丈夫か? さっきから顔が赤いけど、風邪でも引いてるんじゃ……」

「あっ、ううん! なんでもない!」


 私は顔の火照りを冷ますように、あわててブンブンと首を横に振った。

 ああ、危なかった……。なんとか上手くごまかせたけど、下手したら結城くんに好きバレするところだったよ。

 ここに私と結城くんと同じ班のメンバーである、親友・魚住(うおずみ)海羽(みう)がいたら、絶対にフォローを入れてくれたんだろうな。

 当の海羽は、今日は夏風邪で学校を休んでいるけど。

 それにしても、結城くんと二人きりって、考えただけでもドキドキする!

 どうしよう。これを機に、お近づきになったりして……。


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