ただいまヒロイン代理中!
「やっぱりダメだ。余計に気になってきた……」

 蓮が俺の女宣言をしたのは、私・天宮詩乃じゃない。

 あの小説の本当の主人公・十六夜美月なんだ。

 このまま蓮に美月さんだと誤解されたまま、彼女扱いされ続けられるのはモヤモヤする。

 それに、私には結城くんという、現実世界に好きな人がいるんだ。

 片想いとはいえ、この状況だと結城くんに対して、なんとなく後ろめたい気持ちを感じるんだよね……。

(とにかく、蓮に説明して、この話をなかったことにしてもらおう)

 蓮に会うには、またあの暴走族小説を読んで眠りにつかなければいけない。

 次から小説を読む時は、夜寝る前って決めていたけど……今回は緊急事態だ。

 急ごう! 早く蓮に伝えるだけ伝えて、スッキリしよう!

 私は意を決して、ベッドの上に転がっているガラケーを手に取った。

 私の寝相のせいなのか、ガラケーはいつの間にか閉じていたみたい。

 それをすっかり慣れた手つきで、パカッと開いたちょうどそのとき。

< 45 / 176 >

この作品をシェア

pagetop