音のない世界

ピンポーン

家のインターフォンが鳴る。

私は無視をする

5回鳴り続けたインターフォン。

ガチャ玄関が開く音。

そして私の前には30代くらいの

タバコ臭い見知らぬ男。


「お前が松井優花か?」

突然の事にびっくりして

「誰?」

っと聞くと

「これからお前の保護者になる
松永だ。 荷物10分で詰めろ。」

と低い声で言われ

私は母との写真、母のアクセサリー、そして遺骨。

もともと少ない私の服も鞄につめる。


その後、電車を乗り継ぎ2時間。


電車から降りてから

ただただ松永の後ろを歩く事15分。

目の前には、母と暮らしてた時と似たようなアパート。

角部屋に入って行く松永

慌てて後ろをついて行く。


家に入った瞬間、私は松永と名乗る男にボコボコにされていた。

意識が失ったのだろうか。

目を覚ました時には、松永はソファーに座っていて、お酒を飲んでいた。

そこから小学6年生の冬まで、全身殴られる日々が続いた。


ご飯もほとんど食べさせてもらえず

学校にも行けず

手を引っ張ると折れてしまいそうなくらい細くなっていた。

アザがあるから長袖、長ズボンしか履けなくなった。





3月、松永は私に紙をみせる

[4月からのルール]

と1番上に書かれていた。



[・毎月10万俺に渡す事

・18時に毎日晩御飯を作る事

・夜の0時から3時は家にいる事

・中学では松永優花と名乗る事]


そして顔は殴られなくなった。

働かせるため。


私は4月から奴隷のように働いた。

朝4時年齢を偽造し新聞配達

そのまま晩御飯の買い出し

家に帰ると松永にまた殴られる

15時に晩御飯の準備18時にはご飯をだし

18時半にはラーメン屋の洗い物。

23時に終わり帰宅すると松永に2時間殴られる

そして2時間ほど眠り

また新聞配達の時間。

入学前にはすでに私はぼろぼろだった。



そして何よりしんどかったのが

男の人の怒鳴り声。雷。

男の人は殴る、怒鳴る。大っ嫌いだった。


そして私の後ろに立つ人も苦手。

もし抱きしめられたりでもしたら、母を思い出すから。

電車にも乗れなくなった。




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