伝説の『姫』。現在、地味子Aとして潜入中!
5.不思議な女 side輝弥
朝いつものように学校へ来ると、学園中が2つの話題で持ち切りだった。
1つは『2人の転校生がやってくる。』というもの。
この学園は進学校だ。それもかなりの。
通常の生徒は小等部から上がっていく為、テストはあまり難しくない。
まぁ他の学校と比べれば難しい方なんだろうけれど。
だからこそその学園に転校してくるとなると、出される一般生徒のテストの比ではない超難問の入試試験が必要となる。
今までそれを突破できた生徒は居ないのだ。
…でもそれを突破した。しかも2人も。
でも俺が1番驚いたのは、もう1つの噂だった。
『片方の女子が満点をたたき出した』という噂だった。
満点?そんなことが有り得るのか?
この学園での、史上初の満点。
…この時までは、俺も到底信じてなかった。
「亜月乃空です。
よろしくお願いします。」
そうニコッと笑った眼鏡に黒い髪をした少女。
確かに容姿は真面目に見えるけど。
彼女の座った席は俺の前の席。
俺は珍しいものを見たような興味に駆られ、HR後に彼女に声をかけた。
「えと、私…?」
その反応が俺の出会った中で初めてで、俺は少し可笑しく思えと笑ってしまう。
「うん。君のこと。
満点通過だったんでしょう?凄いね」
素直にそう思ったことを伝える。
満点を取れたという程の実力者を僻むほど、馬鹿じゃないからな。
彼女自身も誇りだろう。
喜んだような返答が来る。
そう考えていた俺の予想を反して、彼女の反応は全くの反対だった。
「えっと…あ、ありがとう…。」
俺はその反応に驚いた。
何故だ?満点を取れたのに。
嬉しくないのか?
簡単すぎた、という皮肉か?
少し戸惑いつつも、話を続けた
「俺は皇 輝弥。
このクラスの学級委員なんだ。よろしくね。」
そう微笑んでみせると、すぐに
「そうなんだ!よろしくね。」
…いかにも『大人しい地味な子』って感じだな…。
そう思ってると、不思議なことに気がついた。
ニコニコ微笑んでいる彼女。
でも、何かに勘づいたような顔をしていた。
へぇ…。
「…俺が気になる?」
そう少し揶揄うように、それでいて忠告するように言えば、彼女はこう言った。
「え、あ…優しそうだなぁ…って」
…は?
何言ってんの、この子…。
この俺が…優しそう?
優しいね。じゃない訳?
この仮面を被ってれば、女は『輝弥は優しい』と言った。
でもどこかまだ彼女は、警戒を解いていない。
…引っかからないのか、この仮面に。君は。
そう考えれば、この仮面に引っかからないという不快感的な感覚と、そして
─ただ単純に、嬉しく思った。
同時に彼女に興味が湧いた。
「もし良かったら、今日の中休みに俺がこの学園、案内しようか?
転校したばかりならこの学園広くて迷いやすいでしょ?」
「いいの?」
俺がいえば、相手はホイホイ付いてくる。
でも彼女はまだ少し戸惑っている。
そんな様子もまた珍しく、そして面白かった。
「もちろん。」
そういえば、少し緩みが溶けたような空気になった。
その後すぐに先生に呼ばれ、俺は彼女を置いて外へ出た。
─亜月乃空。
「…面白いじゃん。」
俺は自分でも気付かぬ内にこの後に待ちえた学園案内という名の彼女との交流を心待ちにしていた。
1つは『2人の転校生がやってくる。』というもの。
この学園は進学校だ。それもかなりの。
通常の生徒は小等部から上がっていく為、テストはあまり難しくない。
まぁ他の学校と比べれば難しい方なんだろうけれど。
だからこそその学園に転校してくるとなると、出される一般生徒のテストの比ではない超難問の入試試験が必要となる。
今までそれを突破できた生徒は居ないのだ。
…でもそれを突破した。しかも2人も。
でも俺が1番驚いたのは、もう1つの噂だった。
『片方の女子が満点をたたき出した』という噂だった。
満点?そんなことが有り得るのか?
この学園での、史上初の満点。
…この時までは、俺も到底信じてなかった。
「亜月乃空です。
よろしくお願いします。」
そうニコッと笑った眼鏡に黒い髪をした少女。
確かに容姿は真面目に見えるけど。
彼女の座った席は俺の前の席。
俺は珍しいものを見たような興味に駆られ、HR後に彼女に声をかけた。
「えと、私…?」
その反応が俺の出会った中で初めてで、俺は少し可笑しく思えと笑ってしまう。
「うん。君のこと。
満点通過だったんでしょう?凄いね」
素直にそう思ったことを伝える。
満点を取れたという程の実力者を僻むほど、馬鹿じゃないからな。
彼女自身も誇りだろう。
喜んだような返答が来る。
そう考えていた俺の予想を反して、彼女の反応は全くの反対だった。
「えっと…あ、ありがとう…。」
俺はその反応に驚いた。
何故だ?満点を取れたのに。
嬉しくないのか?
簡単すぎた、という皮肉か?
少し戸惑いつつも、話を続けた
「俺は皇 輝弥。
このクラスの学級委員なんだ。よろしくね。」
そう微笑んでみせると、すぐに
「そうなんだ!よろしくね。」
…いかにも『大人しい地味な子』って感じだな…。
そう思ってると、不思議なことに気がついた。
ニコニコ微笑んでいる彼女。
でも、何かに勘づいたような顔をしていた。
へぇ…。
「…俺が気になる?」
そう少し揶揄うように、それでいて忠告するように言えば、彼女はこう言った。
「え、あ…優しそうだなぁ…って」
…は?
何言ってんの、この子…。
この俺が…優しそう?
優しいね。じゃない訳?
この仮面を被ってれば、女は『輝弥は優しい』と言った。
でもどこかまだ彼女は、警戒を解いていない。
…引っかからないのか、この仮面に。君は。
そう考えれば、この仮面に引っかからないという不快感的な感覚と、そして
─ただ単純に、嬉しく思った。
同時に彼女に興味が湧いた。
「もし良かったら、今日の中休みに俺がこの学園、案内しようか?
転校したばかりならこの学園広くて迷いやすいでしょ?」
「いいの?」
俺がいえば、相手はホイホイ付いてくる。
でも彼女はまだ少し戸惑っている。
そんな様子もまた珍しく、そして面白かった。
「もちろん。」
そういえば、少し緩みが溶けたような空気になった。
その後すぐに先生に呼ばれ、俺は彼女を置いて外へ出た。
─亜月乃空。
「…面白いじゃん。」
俺は自分でも気付かぬ内にこの後に待ちえた学園案内という名の彼女との交流を心待ちにしていた。