大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】
こんなに近い距離で並ぶことなんて、ほとんどない。

「陸斗」
「どうした?」
「陸斗、めちゃくちゃいい匂いする……」

自分でも何を言っているのか分からないのに、口が勝手に動く。
その匂いに包まれていると、不思議と落ち着いてしまって、やめられない。

「彩葉……」

少し呆れたように名前を呼ばれて、私はのんびりと「はーい」と返事をした。

「お前、絶対俺以外と飲むなよ」
「会社の忘年会とかで飲んでるよ?」
「その時は迎えに行く」

さらっと言われた言葉なのに、妙に胸の奥がざわついた。
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