僕のことが好きな2人
 一時間目の歴史は全く頭に入ってこなかった。ぼーっとしていると先生に当てられたけど、なんとか近くの席のクラスメイトに助けてもらった。
 授業終了のチャイムと同時にカバンを持って、透の手を引いて教室を出た。
 そのまま階段を駆け上がって屋上に上がった。
「なんだよ急にー俺まだ準備も何もしてないんだけどー」
「一瞬だから、一瞬」
 カバンの中から二枚の手紙を引き出す。
「え、なにそれ?手紙?告白ぅ?」
 透は手紙を見て、驚いたみたいだ。そりゃそうだろう。よりよってクラスの中心にいる訳でもない僕なんだから。
 僕は手紙を透に渡した。いいの?、と僕に聞いた後手紙をそっと開けて、文章を読んだ。
 まずは美織の手紙、次に葉名の手紙と順に読んだ。透の顔も徐々ににやけ始めている。
 透は二つの手紙を読み終わった後、手紙を僕に返した。
「旬すごいな。あの二人から告白されるたら羨ましすぎるぞ」
「だよな。もうなんか心臓がやばい」
「そりゃそうだろうな、なんかお前のこと恨むかも」
 おいおい、と僕たちは笑い合う。
「で、どっちにするんだよ?」
「どっちって言われてもな…両方行けたら良いんだけどなぁ」
「じゃあ両方行けば?」
 は?、と情けない声が僕の口から出た。
「いやいや、無理があるだろさすがにそれは」
「先に体育館に行って、俺が美織ちゃんは止めとくから」
 美織と話したいだけだろ、と心の中でツッこんでおく。でもそれなら二人と話すことができる。
「じゃあ透はそれでもいい?」
「いいよ。旬のためだよ」
 ほらもうチャイム鳴るって、と言いながら先に透は屋上を降りて行った。良い奴だなあいつやっぱり、心の中でそう思った。
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