悪女の代行を演じたら氷の御曹司に永久就職⁉〜お見合い破談に大失敗!私は彼に丸め込まれ溺愛されてます~
彼は瞳を細め私の腰にスッと腕を回して引き寄せると耳元で、

「そんな目で見つめて2人目でも誘っているのか?」

冗談交じりだけどどこか本気を含んだ甘い言葉をこれでもかと囁いてくる。

「そんなっ!」

私は顔を真っ赤にすると周りのお客さんたちが仲睦まじい夫婦の様子を見てクスクスと笑い声を漏らすから私は恥ずかしさに頬を膨らませながら負けず嫌いの血が騒いだ。

「意地悪ばっかり言う人には、こうです!」

背伸びをして彼の整った美しい頬にキスをすると彼が私の不意打ちに目を見開いて目元がほんのり赤みを帯びた気がする。

「ぱぱとまま、ちゅーちてる!」

「ごちそうさま!」

テラス席から口笛が吹き鳴らされ瑠夏は無邪気に私たちを指さして笑う。
彼は少しだけ決まり悪そうに顔を背けたがその耳たぶは微かに赤くなり唇の端に穏やかで幸せな笑みがこぼれていた。

「志遠さん、幸せだね」

「そうだな」

もう感情に鍵をかけた男の子はどこにもいない。
波の音が2人のそして3人の穏やかな笑い声を優しく包み込んでいく。
テラスの向こうに広がる地中海の青はどこまでも眩しく2人の永遠のハッピーエンドを祝福するようにただ静かにきらめいていた。
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