その声で魅了して。~イケメン寡黙上司の裏の顔は×××でした~
「でも、ゲーム実況やってることと関西弁話せるってことは、秘密にしといてもらえたら有難いわ」
「それは、もちろんです」
「ありがとうな」
それからの時間は、お互いにやっているゲームの話で盛り上がった。
「あ、そういえば係長の名前って、橋本恭平さんですよね。そこから恭と本の字をとって、京本にしたんじゃないですか?」
「すごいな、正解や。まさかそこまで言い当てられるとは思わへんかったわ」
「へへ。私、京本さんの大ファンですから!」
アルコールが回ってくれば、京本さん本人を前にしているという事実にテンションも上がり、京本さんの関西弁がどれだけ大好きかってことをつい語ってしまう。
最近耳にした“京本さんの話す関西弁でときめいたワード”について熱弁していたところで、はたと我に返った。
「……あ、すみません」
「ん? 何で謝るん?」
「いえ、さっきも褒められるのは照れるって言ってましたし、直接言われるのは嫌かなと思って」
「いや、気にせんでええよ。だいぶ慣れてきたし。むしろ宮本さんが楽しそうに俺について語ってくれてる顔、かわええなって思いながら見てたし」
「か、かわええですか!?」
「ふっ。話し方、移ってるで」
驚いて声が裏返ってしまった。係長がおかしそうに笑っている。
自分の心拍数が、どんどん速くなっているのが分かる。
「ほんま、宮本さんには敵わんわ」
そう言って、くしゃりとした顔で笑う係長を、苦手だと思っていた私はもういない。