恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】
33.悪意のあとに
落書きの前に向かうと、黒板消しを手に取った。
すぐに、凪くんが横に来た。
笑い声が一瞬聞こえ、目をぎゅっと閉じる。
「……美月。黒板消し貸して」
私は動けない。
静かな教室の中、足音が近付いて来て目を開けた。
目の前に立っていたのは、ユリさん。
黒板をチラリと見て、溜息を漏らすと桜色の唇が開いた。
「黒板に悪口とか、幼稚な事したやつ誰?」
それだけ言うと、私の手から黒板消しを取った。
「……こーいうのって、大概が僻みだから気にしなくて良いと思うよ」
ユリさんはそれだけ言うと、黒板の文字を消し始めた。
「……ありが、と」
喉が詰まり、それ以上言葉が出てこない。
黒板の落書きなんて、初めてじゃない。
何度も向けられてきた悪意だ。
——でも。
今は誰かが、私の味方になってくれる。
一人じゃないと思えた。
黒板からはどんどん落書きが消えていく。
それで、心の傷が消える訳じゃない。
でも、ずいぶん楽だ。
黒板が綺麗になると、ユリさんは何も言わずに席に戻った。
すぐに、凪くんが横に来た。
笑い声が一瞬聞こえ、目をぎゅっと閉じる。
「……美月。黒板消し貸して」
私は動けない。
静かな教室の中、足音が近付いて来て目を開けた。
目の前に立っていたのは、ユリさん。
黒板をチラリと見て、溜息を漏らすと桜色の唇が開いた。
「黒板に悪口とか、幼稚な事したやつ誰?」
それだけ言うと、私の手から黒板消しを取った。
「……こーいうのって、大概が僻みだから気にしなくて良いと思うよ」
ユリさんはそれだけ言うと、黒板の文字を消し始めた。
「……ありが、と」
喉が詰まり、それ以上言葉が出てこない。
黒板の落書きなんて、初めてじゃない。
何度も向けられてきた悪意だ。
——でも。
今は誰かが、私の味方になってくれる。
一人じゃないと思えた。
黒板からはどんどん落書きが消えていく。
それで、心の傷が消える訳じゃない。
でも、ずいぶん楽だ。
黒板が綺麗になると、ユリさんは何も言わずに席に戻った。